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★TOP(まえがき)

★経路・旅支度
(〜2003年9月6日)
想いは募ったり疲れたり

1日目
(2003年9月7日)
出発
2日目
(2003年9月8日)
一日だけの九州男児
3日目 屋久島1日目
(2003年9月9日)
到着!屋久島
4日目 屋久島2日目
(2003年9月10日)
一日中、屋久島
5日目 屋久島3日目
(2003年9月11日)
台風が来る
6日目 屋久島4日目
(2003年9月12日)
台風の日の過ごし方
7日目 屋久島5日目
(2003年9月13日)
白谷雲水峡
8日目 屋久島6日目
(2003年9月14日)
縄文杉に会いに行く
9日目 屋久島7日目
(2003年9月15日)
屋久島よさようなら
10日目
(2003年9月16日)
九州もさようなら
11日目
(2003年9月17日)
大阪も住めば都か?

あとがき

屋久島情報

屋久島Photo



朝、目が覚めてみると…気持ちイイ!芝生の上にテントを張って寝るのも気持ちが良かったけど、やはり文明の子・日本人なのでタタミに布団ですよ(クーラーも。笑)


何日かぶりに気持ちの良い朝を迎えた私は、テレビを見た後(ここ重要!笑)今回の宿泊費を払いに本館の方へ行く。素泊まりの宿泊費しめて4,200円なり。まあそんなもんです。お金の払い際に恐る恐る「今日って空いてないですよねえ…?」と聞いた所「はい、ありませんねえ」と超即答で返ってきました(^^;)台風が去ろうとしている土曜日なので、空いてるわけないだろう的な感じでしたね。トホホ…一夜限りの文明人、ひとたび宿無し放浪者に逆戻りしてしまいました。
部屋に戻った私は、少しの可能性をかけてそのままにしておいた荷物をまとめて出発するのでした………。
(ちなみにその宿に置いてあった携帯電話の充電器もすべて形が会いませんでした。TT)


7日目 その1

さあて台風も一応、遠ざかり始めるという事なので今日こそは山へ行く事にしました。本来多くの人は屋久島の本命と言えば「縄文杉」を見に行く人がほとんどのようですが、今回の私の本命は何と言っても「白谷雲水峡」。……とはいえ縄文杉は、行きたい度合いとは別に、やはり屋久島のゴールみたいに思っている所もあったので今日は白谷雲水峡に行く事に決めました。


今回の屋久島の旅の中で一番来たいと思っていた白谷雲水峡の登山口にとうとうやってきました。
そしてこれが今回初の山登りなのである。色々な意味でかなりテンションが上がってきました。はっきり言って今日で私が屋久島に来た目的の8割が済んでしまうのです。さあ、いってみるか!……でも、普段ハイキングすらしないのに、こんな本格チックな登山なんて小学生だか中学生の林間学校以来かも。
大丈夫か?(^^;)


まずは登山口、、というだけあって登りやすい木の人工階段を登る。しばらく行くと岩棚の階段が。この屋久島日記で初、人がまともに映っている写真である(笑)この白谷雲水峡は、一応「整備された登山」として詠われているのと何といってもあの「もののけ姫」の参考になったという森が存在するという事で、そこそこ人がいるのである。なので登山口周辺では人が途切れる事はなかった。




しばらく行くと、何だかんだ言ってしんどい(汗)やっぱり管理されているとはいえ、道が確保してあるってだけなので登山は登山って事です。でも、これも慣れれば大丈夫と思い込ませてズンズンと進んでいく。入り口近くも綺麗は綺麗なのですが、そこいらの山と何ら変わりはない普通の森だったので興味はなし。


……どのくらい奥へ進んで来たのだろうか。この辺まで来ると登山口のように人がワラワラといるような事は無い。かなりハイペースで来たせいもあり、前を見ても後ろを見ても人の姿が見えない。夢中で歩いていた自分からふと我に返り、立ち止まって回りを見ると、入り口付近の様子とは風景が随分違っていた。「苔むした」とはこういう事をいうのだろうか?目の前に広がる光景は登山経験の少ない私にはとても幻想的に見えた。誰もいない空間の中で少し圧巻されながらも、森との一体感を味わった。前日までの雨の影響で森全体が水にかかり、キラキラと輝いていてものすごく綺麗。








それからは、歩くリズムを見える景色に合わせ、森の言うがままに歩いて行った。途中からは明らかに疲れてきているのはわかっているのに、足は止まる事なくその小気味良いリズムを刻んで行くのだった。






←遠くに伊勢海老(らしきもの)を
  発見したので撮ってみた。









どの位奥へ来たんだろうか。今まで歩いて来て一番緑が濃い辺りにやってきた。この辺りが例のもののけ姫の参考になったという森のイメージに一番近い所である。その名も「もののけの森」……明らかに後付けなのは気にしないでおこう。右の写真、実は手ブレしているのでこれ以上大きく出来なかったりする^^;他にも何枚か写真を撮ったのだが事ごとく手ブレしている。足場の問題では無い事から、相当疲れていたと思われる。確かに撮る時に腱鞘炎のごとく手が震えていた(笑)


登山口のオバチャンの話では『このもののけの森のあたりまで来たら引き返してもいいし……』と言う事だったのだが、人間、何もない所で引き返すのはどうにも気持ち悪くて「折り返し地点」を求めてそのまま奥へ少し進む事にした。

それからしばらくして辿りついたのが「辻峠」と言われる所。ここを境にもっと奥へ進むと縄文杉へ行ける道につながる。森が綺麗だと言ってもそれはさすがに今日はしんどくて無理だ(笑)そこで、この辻峠から横道にソレてしばらく登ると「太鼓岩」という大きな岩があり、そこから見える景色はとても綺麗だという事を調べて知っていたので今日のゴールはその太鼓岩にする事にした。
早速、辻峠の立札の横にある横道から太鼓岩を目指す。ん!?何だか角度が急なんですけど!!今までは急といっても岩場だったり木の根っこで階段状になってたりしたんですけど、これは…本当に角度がついた道ではないですか(汗)
急な道をそのままじゃ登れないので木につかまりながら手の力で登ったり。 うおお!!疲れきったこの体で“プチ”クライミング体験!?これは堪える!^^;軍手持ってきてて良かった。
(一応書いておくと、登山序盤でこういう所があったら少し頑張れば登れるんでしょうけど、素人の中ではかなりハイペース(朝の通勤ラッシュ時並みの早さで人を抜きまくった)で来たので足がガクガクなんです。)

時間にしてそんなに経ってないんでしょうけど異常に長く感じる。途中降りて来る人に「太鼓岩ってあとどの位ですか?」って聞いたら「ああ、あと5分位ですよ」との返事が。本当ですか!?信じていいんですね!?ノンストップで登って来た私は「あと5分」の言葉だけを便りにして進む事、15分…。太鼓岩に到着。まあある意味5分って言ってもらって良かったのかも知れない。


太鼓岩からの景色。この太鼓岩も滞在時間がかなり長いので実はこの岩の周辺を何人かの人が座ってたりしました。景色自体は岩がヒョコっと飛び出しているので、180度すごく綺麗な景色が拝めるとても良いポイントです。しかも地面との落差がなりあり、やや高所恐怖症の私はとてつもなく震えが来ました。ああ!今までの写真の中でこの写真が一番臨場感をお伝え出来ていないのが悲しいですが、本当にスゴイですよ!



7日目 その2

太鼓岩を見終わった私は、少しルートを変えて気分を変えながら白谷雲水峡の登山口まで戻ってきました。何だか脱力感でいっぱいですが、とても気持ちの良い脱力感でした。これで屋久島に来た甲斐があった。当然の事ですが、写真には納めきれない“行かない限り味わえない”感動を心に刻み込む事が出来ました。

さて、何だか今回の屋久島の旅も一段落着いた気分ですが(笑)、次はどこへ行こうかと登山口から下の道路まで降りる時に山合いから見える景色にうっとり…。ゆるやかなカーブをそれこそ徐行運転のように低速でバイクを走らせていたわけですが、ふと景色から目を戻すと目の前には『壁』が!!!!!キィィィィ〜〜〜〜!!!
自分のバイクから、教習所のビデオでしか聞いた事がないような危険な音がしました(汗)低速なので何とか止まる事が出来ましたが……@@;
今回の事で急ブレーキは操作性が無くなる事と、とっさではブレーキかけるのが精一杯だと言う事がわかりました。大川の滝の時もそうでしたが、車が少ない事で甘く見過ぎてました。今度こそ絶対気をつけよう。かなり恐かった。
そのせいか積んでいた2リットルのペットボトルがいつの間にか落として無くなっているし(他の車は迷惑だったろうな)。



宮之浦岳という九州最高峰の山もあるのですが、登山自体には興味が無い私は今回はパス。
本日、白谷雲水峡に行った私は、明日のターゲットを縄文杉に決めた。

これからどこへ行こうかな。そうだ!今日からまた宿無しになった事だし、あの美しいいなか浜を見ながら砂浜をベッドにして寝ようではないか、うんうん。波の音が子守唄なんて滅多にないぞ〜〜〜。
………忘れてた。遠ざかっているとはいえまだ台風の影響は大。波が荒い。ザザーって感じじゃなくてザッパーン!って感じ。岩場があったら東宝映画だ。
うーん、もう夕方だしどうしようかな〜なんて海を眺めていると私に声をかける一人の若者が。
「船、一緒でしたよね」
…いきなりそんな事言われても(汗)
「いや〜そうでしたっけ??」というと
「このバイクと一緒の船に乗ってたんですよ」と携帯の写真で自分のバイクを見せてくれた。異様にこんもり積んだ荷物が印象的だったので、その人のバイクを覚えていた。そこでチョコチョコと話しをして、その人は埼玉の人で日本一周をしているらしい。埼玉から北海道まで行って、また埼玉を横目に南下して屋久島に来たそうだ(スゴイ人がいるもんだ)。屋久島の縄文杉を旅のゴールに決めていたらしいんだけど、種子島でロケット打ち上げするらしいのでその打ち上げを見てゴールにするんだとか。実に華々しいゴールだ(今考えると、残念だが見れなかったのではと思う)。
その人に「今日はどこに泊まるんですか?」と聞かれたので正直に「ここで海を見ながら」と言うと(えっ……)と驚きつつ引き気味。いや、いいんだけど。そんなこんなで「そうですか〜じゃあ」と別れた。
…… 何だかどんどん暗くなってきた。視界が悪い。ある事に気がついたのはあたりが真っ暗になってからだった。ここには街灯が無い。海が綺麗なのは街灯があって海がキラキラ照らされているからであって光が無ければ真っ暗である。天気も天気なので月も出ていない。目の前に何があるかさえも本当にわからない真っ暗闇の中に、台風で激しくなった波がザッパーン。恐怖さえ感じる。一人ロマンチック体験が一転、恐怖の一夜物語になってしまった。

こんな所はゴメンだと手探りでバイクに辿り着き、とりあえず宮之浦まで出ようと思った時に全身の血の気が引いた。バイクの鍵が無い!!!うわあ、どうしよう落としたんだ!!ただでさえ視界ゼロに等しい闇夜の中にバイクの鍵なんて……泣きそうになったが、どの道バイクの鍵が見つからないとどうしようもないので、テントの時に活躍した懐中電灯とランタンを手に探しはじめる。えぐっえぐっ。15分ぐらい探してテンション超下がりの時に向こうから懐中電灯を持った人が。私が煌々とランタンを照らしていると近寄って来て「うみがめ館の者なんですけど…ウミガメの為に夜のライトの使用はお控えください」と注意されてしまった。
「いや、あの、バイクの鍵を無くしてしまって」「え!汗……それは大変…」と言ってその人が下に懐中電灯を向けた時に「あ!これじゃ!?」と拾い上げる。「え!?」と見ると、まさしく私のバイクの鍵ではないか。あれだけ探しまくったのに、そんなに簡単に。ともあれとてつもない不安感から解放された私はその場に座り込んでしまった。「よかったーー!!」「よかったですねーーー!」とその人達(2人)と言い合い、これでとりあえず戻れると思った時にさらなる悲劇が。
「あ…」「どうしたんですか?」「デジカメのスマートメディアが…」「え…。汗」
どうやら探し回ってる時に落としたらしい(汗)もうイヤ。
うみがめ館の2人も、鍵は運良く見つかったけどスマートメディアまではこう暗いと無理という事で3人共あきらめムードに。うみがめ館の人は毎朝この海岸を見回っているらしく、翌朝見回った時に見つけたら預かっておくと言ってくれた。
こうなってはもうそれだけが頼りである。こうしてその人達にお礼を言った後に、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にしたのだった。

7日目 その3



何とか宮之浦まで戻って来た。とりあえずスマートメディアの事は一旦忘れて今日の寝床を探そう。しばらく台風の時に居座った宮之浦港の近くの屋根のついた休憩所にいた。少し考えて「そうだ、あそこにしよう!」辿り着いた先はコインランドリー。24時間やっていてちゃんと屋根もついていて、何より明るい(笑)ちょうど良い長椅子もあったので今日の所はここに泊まらせてもらおう、そうしよう。何だか本当に宿無し放浪者になってしまった^^;
まあいいさ!それより明日は4時30分ぐらいに起きなくては日帰り登山に間に合わないという話なので早速眠りに入る事にした。22時にもなってなかったと思うが明日の為と今日の疲れですぐ眠る。
…………。
………それは23時半ぐらいだったろうか。「こんばんわ〜〜」ほへ?寝ぼけながらも目を空けて声のした方へ目をやると、何と2人のおまわりさんが立っているではないか〜。汗

8日目につづく


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7日目(9月13日[土])の時系列順おこずかい帳
白谷雲水峡入林
300
DAKARA2L@198×1、唐揚弁当(わいわいらんど) 606
DAKARA2L@198×1(わいわいらんど) 207
洗濯 300
1,413
  (うち飲食813)

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